NSSB小説
542.[認可待ち]NSSB電子書籍第4弾 誰にでも犯罪者になりうる
さて木曜日はNSSB電子書籍の日ですが、例によってまだアップロード中ですので、
【まえがき】【宮ちゃん】だけ載せておきますm(_ _)m
またアップするので、もしご興味沸けば、是非ご購読下さいませ♪
アパレル会社社長春山探偵の事件簿4
誰にでも犯罪者になりうる
まえがき
「この人が犯人だね」
実に簡潔な推理で春山は今回の事件を決着にさせました。それはイギリスという異国の遠方からの推理で、世界中の人が証人となった大事件です。捜査していた私にとっても寝耳に水で、その誰しもが彼の存在に気付かなかった。彼にとってもその罪は、自らの人生を大きく狂わせてしまう突発的な事件だった。用意のない心は、耐えきることができずに、その場から目を背ける結果となりました。彼は根っからの犯罪者ではない。むしろ会社のために、家族のために、そして国のために身を粉にして働いてきた、日本の宝であったことは間違いないのです。彼はその後、自ら命を閉じてしまうことになるのですが、彼の最後一言は、これまでの彼の良質な背景を全て覆し、世の中を震撼させました。
「誰にでも犯罪者になりうる」
これは誰しも持つ凶器によって引き起こしてしまった、悲しい事件です。
1. 宮ちゃん
「さあ、次のニュースです。いやあ、又しても凄惨な事件がくりかえされてしまいました。連続ひき逃げ事件はついに三件目を迎えてしまいました。その動画が偶然にもですね、町の監視カメラに写っていましたので、その様子をご覧ください」
この事件の始まりは、朝の情報番組で声をあげたニュースキャスターの連日のひき逃げ事件の報道を自宅で見ている時に起こりました。いつものように仕事前の準備を行っていると、けたたましく私の家のインターホンがなった。私は歯磨き中で、急いで口をすすぎ、洗面所から出て玄関に向かう途中、そのひき逃げ事件の様子を映すテレビが目に入りました。偶然事件の様子が映った町の監視カメラは画質があまり良くなかったのですが、黒い車が猛スピードで交差点に入っていくのが分かった。その車は青信号で歩く男性を思いっきりハネて、そのまま止まることもせず走り去って行きました。男性はぶつかった直後、監視カメラに移る公園の街路樹でどうなったかはわかりませんが、その後の説明をベテランニュースキャスターが説明してくれた。
「男性は跳ねられた直後、中央分離帯にぶつかりそれから倒れこむ形になりました。現場での目撃証言は無く、警察は聞き込みと男性の回復次第、詳しい事件の分析を行うとのことです。そのハネられた男性なんですが、なんとか一命を取り止めましたが、現在は重症で意識がないとのことです。さあ、スタジオには犯罪心理学者の・・・」
そこで、ひっきりなしに鳴るインターホンの音が聞こえてきて、我に帰りました。テレビに引き込まれていた私は職業柄この事件について考えなら廊下を歩き、玄関の穴を覗き込んだ。そこに映ったのは大学時代からの友達で、月に一度は会うほどの仲良しだ。小柄だけど常に明るく、笑顔が素敵な宮ちゃん、本名宮本ゆりだ。そんな宮ちゃんの様子がおかしい。いつもの表情から一変して、この世の終わりのような絶望の顔をしている。大学の頃は一緒にテニスをやって、一緒に合コンして、彼氏の話をしていた、そんな宮ちゃんの顔を一瞬思い出し、別人かと思った。しかし、見慣れたセミロングと、独特のあごのほくろと、何よりその大きな瞳は間違いなく宮ちゃんだ。そんな大きな瞳から涙が流れている。化粧すらしていない宮ちゃんが自分の家のインターホンを必死に鳴らしている。
「山ちゃん、ねえ、お願い山ちゃん!開けて!」
私の体は無意識に鍵を開け、そしてそのまま大きく扉を開いた。するとそこに宮ちゃんの体が抱きかかってきた、というより強引にぶつかってきた。私も小柄だけど、柔道をやっていたので抱え込むように彼女をしっかり受け止めた。
「ねえ、どうしたの、宮ちゃん!宮ちゃん!」
私は泣くばかりの宮ちゃんに問いかけることしかできなかった。それはどのくらいたっただろうか、おそらく三十分、一時間はたっただろうか、宮ちゃんが落ち着くまで私は側で彼女の頭を撫で続けていました。会社には電話を入れて休みにしてもらった。流行りのインフルエンザは都合が良いもんだ。
「山ちゃん、私どうしたらいいの。彼なしでは生きていけないよ。」
ここまでですm(_ _)m
承認おりましたらまた載せます!お楽しみに♪
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